【 コンパクト、ランクル 】ランドクルーザーFJは「小さなランクル」ではない!本当に注目すべきはランクルの原点回帰だった 【 カーニュース 】

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本当に注目すべきはランクルの原点回帰だった

ランドクルーザーFJが登場したことで、「小さなランクル」「廉価版ランクル」といった声が数多く聞かれるようになった。しかしFJを詳しく見ていくと、その評価は少し的外れかもしれない。むしろFJは、近年大型化・高級化が進んだランドクルーザーシリーズの中で、最もランクルの原点に近い存在とも言えるからだ。ランドクルーザー300は世界中のVIPや政府機関にも採用されるフラッグシップモデルとなり、250は快適性や先進装備を重視したグローバルSUVへ進化した。一方で価格もサイズも大きくなり、「気軽に乗れるランクル」ではなくなりつつあった。そんな中で登場したFJは、「もっと多くの人にもっと気軽にランクルを楽しんでほしい」という考えから開発されたモデルだ。コンセプトである「Freedom & Joy」には、どこへでも行ける自由と、人生を楽しむための相棒という意味が込められている。

注目すべきは、その成り立ちである。近年のSUV市場では、街乗り性能や燃費性能が重視される傾向が強い。しかしFJはあえてラダーフレームを採用し、パートタイム4WDを組み合わせ、本格的な悪路走破性を維持している。これは単なるファッションSUVではなく、「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」というランドクルーザーの哲学を守った結果でもある。さらに興味深いのは、エンジン選択だ。現在の自動車業界ではダウンサイジングターボやハイブリッドが主流となっている。しかしFJは2.7L自然吸気ガソリンエンジンを採用した。スペックだけ見れば決して派手ではない。最高出力163PS、最大トルク246Nmという数値は、最近のSUVと比較すると控えめにも映る。だが、このエンジンには長年の実績があり、世界中の過酷な環境で培われた信頼性という大きな武器がある。つまりFJは速さや豪華さではなく、「壊れにくさ」と「安心感」を優先したクルマなのだ。また、ボディサイズにも明確な狙いが見える。全長4575mm、全幅1855mmというサイズは、日本国内では非常に扱いやすい。ランドクルーザー250と比較すると全長は350mm短く、ホイールベースは270mm短縮されている。結果として最小回転半径は5.5mを実現し、狭い住宅街や林道でも取り回しに優れる。大型SUVを持て余していたユーザーにとって、このサイズ感は大きな魅力になる。そしてFJ最大の価値は、ランドクルーザーの裾野を広げる存在になったことだろう。近年のランクルは人気の高まりとともに価格も上昇し、多くのユーザーにとって憧れの存在になっていた。一方でFJは、より現実的なサイズと価格帯によって、新たなランクルユーザーを取り込む役割を担っている。若い世代やアウトドア志向のユーザーにとって、初めてのランドクルーザーとなる可能性も十分にある。

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一方でFJは、決して万人向けのクルマではない。後席空間や荷室容量は250に及ばず、3列シートも設定されない。静粛性や高級感という部分でも300や250の方が優れている。しかし、その割り切りこそがFJの個性でもある。快適装備や豪華装備を追い求めるのではなく、「走る」「遊ぶ」「使い倒す」というクルマ本来の楽しさを重視しているからだ。最近のSUV市場では、高性能化や高級化が進んだ結果、本来アウトドアや悪路で使うことをためらうようなモデルも少なくない。その中でFJは泥だらけになっても似合う。林道を走っても似合う。キャンプ場に停めても似合う。そんな道具としての魅力を持っている。ランドクルーザーFJは、単なるエントリーモデルではない。大型化と高級化が進んだ現代のランクルシリーズにおいて、「本来ランクルとは何だったのか」を改めて思い出させてくれる存在だ。300や250が快適性と先進性を追求した現代のランドクルーザーだとすれば、FJは冒険心や道具感、そして自由というランクル本来の価値を色濃く残したモデルと言える。だからこそFJは、「小さなランクル」ではなく、「最もランクルらしいランクル」と呼ぶべき一台なのかもしれない。

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